1937年(昭和12年)
助産の始まり
生活に困難な妊産婦へ助産室の新築
事業を漸進的に継続しているうちに、更に一つの事業を起こす必要に迫られた。それは助産室の新築である。
昭和8年より助産婦が家庭訪問を行うことになり、昭和12年頃、貧困家庭を訪問している際、ちょうど妊婦のいる家があった。その貧困状態は言語に尽せぬものであり、分娩に要する費用はもちろんのこと、その日の生活にさえ事欠くような状態であり、これを見るに忍びず、また出生後の嬰児の前途を思い、憐びんの情切なるものがあり、この産婦を収容した。これが助産を行った始まりとなる。