クリニカルインディケーター(臨床指標)
クリニカル・インディケーターとは、医療の質をあらわす指標です。近年、病院で行われる医療の質向上と安全に対する関心が高まり、様々な取り組みが行われております。各分野で着目する指標を設定し、取り組み前後や経年変化を定量的に数値で収集し、より改善につなげるために検証していくものです。
用語として、臨床指標 Clinical Indicator:CI、または質指標 Quality Indicator:QIと呼ばれます。
病院全体の指標や診療領域別で指標を設定し、数値を把握していくことは、情報の活用につながり、健全な病院運営上で必要となるものです。
病院全体に関する指標
項目 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
病床稼働率(%) | 61.6% | 58.7% | 67.1% |
平均在院日数(日) | 11.1 | 11.5 | 10.8 |
紹介率(%) | 42.7% | 43.9% | 35.9% |
手術件数(件) | 1,611 | 1,497 | 1,818 |
Ⅱ度以上の褥瘡の新規発生件数(件) | 29 | 24 | 32 |
入院患者で転倒・転落の結果、骨折または頭蓋内出血が発生した件数(件) | 7 | 0 | 3 |
退院後6週間以内の予期せぬ再入院件数(件) | - | - | - |
退院後4週間以内の計画的再入院件数(件) | 346 | 281 | 303 |
退院後4週間以内の計画外再入院件数(件) | 202 | 235 | 276 |
24時間以内の再手術件数(件) | 1 | 1 | 0 |
入院患者のうちパス適応患者数(人) | 1,677 | 1,747 | 1,859 |
術後の肺塞栓発生件数(件) | 0 | 0 | 0 |
急性脳梗塞患者に対する早期リハビリテーション開始件数(件) | 1 | 1 | 2 |
人工膝関節全置換患者の早期リハビリテーション開始件数(件) | 5 | 5 | 8 |
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与件数(件) | 1,388 | 1,253 | 1,484 |
診療科別(内科系)
診療支援部門
DPC関連データによる病院指標 〈令和3年度〉
年齢階級 | 人数 |
---|---|
10歳未満 | 1,323 |
10歳代 | 195 |
20歳代 | 252 |
30歳代 | 470 |
40歳代 | 236 |
50歳代 | 250 |
60歳代 | 396 |
70歳代 | 701 |
80歳代 | 569 |
90歳以上 | 224 |
2021年4月1日から2022年3月31日までに退院した患者について、年齢階級別(10歳刻み)で表示したものです。
幅広い年齢層の患者を診察しており、当院は地域周産期母子医療センターであることもあり、10歳未満の患者数が多くなっています。
呼吸器内科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺癌 気管支ファイバー あり |
46 | 3.76 | 3.30 | 0% | 74.22 | 〇 |
180030xxxxxx0x | COVID-19 | 42 | 11.10 | 10.47 | 19% | 56.98 | × |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 | 22 | 21.73 | 18.42 | 27% | 72.77 | × |
040040xx9909xx | 肺癌 キートルーダあり |
20 | 17.40 | 10.46 | 0% | 74.55 | × |
040040xx9900xx | 肺癌 手術なし 化学療法なし |
15 | 14.53 | 13.12 | 27% | 75.47 | × |
呼吸器内科では、肺癌の診断のため気管支鏡検査の短期入院が最も多い症例となります。
当院はCOVID-19専用病床を有するため、COVID-19の症例が増加しました。
間質性肺炎に対する治療症例、肺癌に対して化学療法を行う治療の症例も多くあります。
また、睡眠時無呼吸症候群の診断を目的とした「終夜睡眠ポリグラフィー」検査や在宅持続陽圧呼吸療法指導管理が必要な患者に対する治療も行っています。
循環器内科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx9910xx | 狭心症 心臓カテーテル検査 あり |
42 | 4.83 | 3.06 | 5% | 69.81 | 〇 |
050050xx0200xx | 狭心症 PCI等あり |
38 | 3.82 | 4.36 | 0% | 71.29 | 〇 |
050130xx9900xx | うっ血性心不全 | 31 | 15.68 | 17.35 | 23% | 82.55 | × |
050050xx9920xx | 狭心症 心臓カテーテル検査+ 冠動脈血流測定検査 あり |
24 | 3.63 | 3.27 | 0% | 72.42 | 〇 |
110280xx9900xx | 慢性腎不全 | 19 | 17.21 | 10.39 | 37% | 77.21 | × |
循環器内科では、狭心症等に対する心臓カテーテル検査(心臓や末梢の血管を造影剤を使って映画のように映し出す方法)や治療(心臓や末梢血管で詰っていたり狭くなってたりする場所を、広げたり再開通されるPCI等)を行っています。
心臓の手術が必要となった場合は、連携先医療機関に手術をお願いしています。
糖尿病内科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病 インスリン製剤あり |
61 | 13.31 | 14.41 | 0% | 64.43 | × |
10007xxxxxx0xx | 2型糖尿病 インスリン製剤なし |
23 | 12.00 | 11.15 | 0% | 63.17 | × |
100040xxxxx00x | 糖尿病性 ケトアシドーシス |
- | - | 13.25 | - | - | × |
110310xx99xxxx | 尿路感染症 手術なし |
- | - | 13.14 | - | - | × |
100040xxxxx10x | 糖尿病性 ケトアシドーシス 中心静脈注射あり |
- | - | 19.03 | - | - | × |
糖尿病内科には、外来治療で血糖コントロールがうまくいかない方や合併症の精査が必要な方々が入院されております。
短期間で効率的に血糖を改善するために、皮膚に装着するだけで2週間5分毎の血糖値がモニターできる持続血糖測定器(CGM)を積極的に活用しております。これによりインスリンの注射量やお薬の調整だけでなく、食事や間食の取り方の指導までが可能となりました。管理栄養士・認定看護師・薬剤師・理学療法士がチームを組み糖尿病から透析に移行することを予防するための栄養指導を積極的に行い、糖尿病からくる足の切断を回避するための足の管理を定期的に実施しております。
消化器内科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 大腸ポリープ・腺腫 EMRあり |
69 | 2.90 | 2.65 | 1% | 65.59 | 〇 |
060035xx99x6xx | 大腸癌 手術なし アバスチンあり |
19 | 4.21 | 4.54 | 0% | 75.68 | 〇 |
060102xx99xxxx | 憩室炎 手術なし |
18 | 8.67 | 7.70 | 0% | 63.50 | × |
060380xxxxx00x | 急性腸炎 | 18 | 7.61 | 5.53 | 0% | 53.06 | × |
060035xx99x5xx | 大腸癌 手術なし オキサリプラチンあり |
16 | 3.44 | 4.25 | 0% | 79.94 | 〇 |
消化器内科では、消化器全般の診療を行っており、大腸腺腫・大腸ポリープに対する内視鏡的治療(ポリペクトミーなど)のための入院が多くあります。食道から大腸までの消化管内視鏡検査では、超音波内視鏡検査、胆管・膵管造影法、治療の範囲の決定、治療後の部位の追跡等を目的とした粘膜点墨法、拡大内視鏡を用いた狭帯域光による観察等も行っています。ヘリコバクター・ピロリ感染の診断検査(複数種類)及び薬剤による治療を行っています。内視鏡下胃瘻造設術、内視鏡下胆道結石除去術・ステント留置術、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術等も行っています。緩和ケアに係る研修を受けた保険医・看護師、化学療法の経験並びに研修を受けた専任薬剤師による「がん患者指導管理」、「がん性疼痛緩和指導管理」を行っています。
血液内科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130010xx97x2xx | 白血病 輸血あり 化学療法あり |
23 | 28.39 | 37.46 | 0% | 78.74 | × |
130030xx99x5xx | リンパ腫 輸血なし リツキサン+グランあり |
20 | 16.55 | 19.92 | 0% | 80.35 | × |
130060xx97x40x | 骨髄異形成症候群 輸血あり アザシジンあり |
20 | 14.25 | 18.76 | 0% | 74.50 | × |
130060xx99x4xx | 骨髄異形成症候群 輸血なし アザシジンあり |
14 | 11.14 | 10.12 | 0% | 74.21 | × |
130010xx99x2xx | 白血病 輸血なし 化学療法あり |
- | - | 11.80 | - | - | × |
血液内科では、無菌治療室・化学療法室を完備し、患者の病状に対応した迅速入院が可能であり外来の治療にも対応しています。
また、白血病・悪性リンパ腫を筆頭に幅広く血液疾患の診断・治療を行っております。
外科・乳腺外科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア (15歳以上) 鼠径ヘルニア手術あり |
79 | 4.78 | 4.74 | 0% | 64.00 | 〇 |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除あり |
23 | 5.65 | 5.40 | 0% | 44.83 | × |
040040xx97x00x | 肺癌 悪性腫瘍手術あり |
17 | 14.55 | 10.47 | 12% | 77.88 | × |
060035xx010x0x | 大腸癌 結腸切除あり |
10 | 19.80 | 15.76 | 0% | 74.10 | × |
060170xx02xxxx | 臍ヘルニア 手術あり |
- | - | 7.84 | - | - | 〇 |
最も多い症例は鼠径ヘルニアとなります。当院では鼠径ヘルニア・臍ヘルニアセンターを開設しており小児から成人、高齢者まで幅広い年齢層の患者を受け入れる体制を完備しています。
虫垂炎に対する虫垂切除術や癌に対する悪性腫瘍手術目的の症例も多くあります。
眼科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障 手術あり 片眼 |
146 | 2.15 | 2.71 | 0% | 71.59 | 〇 |
020320xx97xxxx | 内反症 手術あり |
14 | 2.79 | 3.11 | 0% | 23.00 | 〇 |
020150xx97xxxx | 外斜視 手術あり |
11 | 3.09 | 3.11 | 0% | 11.73 | ×※1 |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり |
- | - | 2.94 | - | - | 〇 |
020250xx97xxxx | 翼状片 手術あり |
- | - | 3.25 | - | - | × |
※1:小児用のパスはあり
最も多い症例は手術目的の白内障となります。次いで、小児から高齢者までの眼瞼内反症手術の症例が多くあります。
婦人科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120070xx02xxxx | 卵巣腫瘍 手術あり |
10 | 5.80 | 6.11 | 0% | 33.80 | 〇 |
120110xx99xxxx | 付属器炎 手術なし |
- | - | 8.60 | - | - | × |
120060xx01xxxx | 子宮筋腫 子宮全摘術あり |
- | - | 9.46 | - | - | 〇 |
12002xxx02x0xx | 子宮頚部異形成 手術あり |
- | - | 3.05 | - | - | × |
120100xx01xxxx | 内膜症 手術あり |
- | - | 7.20 | - | - | × |
婦人科では、良性腫瘍に対する手術目的の症例が多いです。産後健診やがん検診からの患者もいます。
小児外科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x101xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳未満) 手術あり |
132 | 1.05 | 2.78 | 0% | 3.93 | 〇 |
060170xx02xxxx | 臍ヘルニア 手術あり |
65 | 1.03 | 7.84 | 0% | 3.29 | 〇 |
140590xx97xxxx | 停留精巣 手術あり |
- | - | 2.99 | - | - | 〇 |
060170xx99xxxx | 臍ヘルニア 手術なし |
- | - | 7.56 | - | - | 〇 |
120080xx97xxxx | 外陰良性腫瘍 手術あり |
- | - | 4.45 | - | - | × |
最も多い症例は鼠径ヘルニアとなります。当院では鼠径ヘルニア・臍ヘルニアセンターを開設しています。
鼠径ヘルニア手術では腹腔鏡下手術を導入しています。
小児科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxx0x | RSウイルス気管支炎・急性気管支炎 | 109 | 4.98 | 5.83 | 0% | 1.60 | × |
140010x199x0xx | 新生児黄疸等(出生時体重:2500g以上) | 83 | 8.35 | 6.13 | 0% | 0.00 | × |
060380xxxxx00x | 急性胃腸炎 | 59 | 3.69 | 5.53 | 0% | 3.92 | × |
040100xxxxx00x | 気管支喘息 | 52 | 4.63 | 6.24 | 0% | 3.00 | × |
030270xxxxxxxx | 急性上気道炎 | 41 | 4.27 | 4.78 | 0% | 3.29 | × |
当院小児科では、一般外来、アレルギー疾患・内分泌疾患・未熟児・心疾患、川崎病・神経疾患・血液・腫瘍疾患・染色体異常症等の専門外来、予防接種、乳児健診など幅広いニーズに対応しています。重症な未熟児・新生児疾患の集中治療室(NICU)と一般小児病棟(31床)を有しています。
一般小児病棟では、急性気管支炎、急性胃腸炎、小児喘息などの診断で入院する子どもが多数を占めています。
産科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 既往帝切後妊娠・骨盤位等 帝王切開あり |
99 | 9.26 | 9.39 | 0% | 35.03 | 〇 |
120260xx01xxxx | 分娩時の異常 帝王切開あり |
56 | 9.66 | 9.38 | 0% | 34.14 | 〇 |
120170x101xxxx | 切迫早産(34週未満での入院) 帝王切開あり |
55 | 47.13 | 37.40 | 0% | 32.89 | 〇 |
120260xx02xxxx | 分娩時の異常 頸管裂傷縫合・会陰裂傷縫合・吸引分娩等 |
53 | 7.98 | 6.82 | 0% | 32.98 | 〇 |
120200xx99xxxx | 妊娠糖尿病 | 44 | 6.55 | 5.37 | 0% | 31.73 | 〇 |
当院は地域周産期母子医療センターに指定されており。MFICU(母胎・胎児集中治療施設)・NICU(新生児集中治療室)・GCU(継続保育室)を有し妊娠期から新生児期にかけて一貫したレベルの高い医療を提供しています。合併症妊娠、双胎などのハイリスク妊婦が多く、また治療を要する新生児の分娩管理も積極的に行っています。
耳鼻咽喉科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 慢性扁桃炎・扁桃肥大 手術あり |
60 | 9.97 | 7.84 | 0% | 10.60 | 〇 |
030430xx97xxxx | 慢性浸出性中耳炎 手術あり |
56 | 3.13 | 3.22 | 0% | 2.34 | 〇 |
030400xx99xxxx | めまい症・メニエール病 | 33 | 7.00 | 4.92 | 0% | 70.15 | × |
030428xxxxxxxx | 突発性難聴 | 24 | 15.50 | 8.75 | 0% | 58.88 | × |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 22 | 9.23 | 6.47 | 0% | 53.27 | × |
耳鼻咽喉科では、小児の睡眠時無呼吸やいびきの原因であるアデノイド増殖症、扁桃肥大等の手術を多く行っています。次いで、慢性滲出性中耳炎の鼓膜チューブ挿入術も行っています。前庭機能障害(めまい)の治療も行っています。
整形外科
DPC コード |
DPC名称 | 患者数 | 平均在院 日数 (自院) |
平均在院 日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 大腿骨骨折 手術あり |
89 | 30.30 | 25.32 | 52% | 83.66 | × |
160690xx99xxxx | 胸椎・腰椎圧迫骨折 手術なし |
28 | 21.75 | 19.34 | 57% | 82.18 | × |
160760xx97xx0x | 前腕の骨折 手術あり |
18 | 5.17 | 4.99 | 0% | 62.33 | × |
070230xx97xxxx | 変形性膝関節症 手術あり |
14 | 10.71 | 7.39 | 0% | 61.86 | × |
160700xx97xx0x | 鎖骨骨折 手術あり |
12 | 7.25 | 5.99 | 0% | 54.83 | × |
整形外科では、高齢者の転倒による大腿骨骨折の手術目的の患者が最も多くなっています。また、高齢で基礎疾患のある患者も多くみられます。
胸椎・腰椎圧迫骨折のリハビリ患者、膝関節症の手術患者も多くなっています。
初発 | 再発 | 病期分類基準※ | 版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | 14 | - | - | 1 | 7 |
大腸癌 | - | 17 | - | 40 | - | - | 1 | 7 |
乳癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 7 |
肺癌 | 11 | - | - | 53 | 45 | 20 | 1 | 7 |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 7 |
「がん」は日本人の死因第1位で、現在では年間約30万人以上ががんで亡くなっています。
これは、「日本人の3人に1人ががんで死亡している」ことになり、男性の2人に1人、女性の3人に1人と言われています。
この表は、がん検診の効果が科学的に証明され、厚生労働省が検診を推奨している主要5大癌(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)について、UICC(国際対がん連合)の定めるT(原発腫瘍の拡がり)、N(所属リンパ節転移の状況)、M(遠隔転移の有無)から示される病期(StageⅠ~StageⅣ)別に分類したものです。
当院では幅広いStageの入院治療をおこなっており、内視鏡的治療や、腹腔鏡下治療といった早期のがん治療をはじめⅢ期やⅣ期の手術・化学療法による治療等も実施しています。
UICC病期分類が不明に分類されている症例は、検査入院の症例で入院中に検査結果が出ない等が理由として挙げられます。
重症度 | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 13 | 13.85 | 72.54 |
重症 | - | - | - |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
成人(18歳以上)の市中肺炎(普段の生活の中で罹患した肺炎)の患者さんについて、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しています。
但し、入院のきっかけとなった傷病名および最も資源を投入した傷病名が肺炎のものに限ります。
令和3年度はCOVID-19の影響を受け、入院のきっかけとなった傷病名でCOVID-19の疑いの患者が多数いた為該当する患者数が大幅に減少しています。
ICD-10 | 傷病名 | 発症日 | 患者数 | 平均 在院日数 |
平均 年齢 |
転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
G45$ | 一過性脳虚血発作 及び関連症候群 |
3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
G46$ | 脳血管疾患における 脳の血管(性)症候群 |
3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄、 脳梗塞に至らなかったもの |
3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄、 脳梗塞に至らなかったもの |
3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
I675 | もやもや病 <ウイリス動脈輪閉塞症> |
3日以内 | - | - | - | - |
その他 | ||||||
I679 | 脳血管疾患、詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 |
当院では全ての項目で患者数が10未満であり、特定され得るため、詳細は記載いたしません。
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 (長径2センチメートル未満) |
62 | 0.97 | 1.11 | 2% | 65.23 | 〇 |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 14 | 8.14 | 12.93 | 7% | 80.36 | 〇 |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術 (乳頭括約筋切開のみのもの) |
10 | 6.30 | 9.50 | 20% | 80.30 | 〇 |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 (長径2センチメートル以上) |
- | - | - | - | - | 〇 |
K664 | 胃瘻造設術 (経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) |
- | - | - | - | - | × |
当院で数多く実施されている下部消化管内視鏡検査で将来的に癌化する可能性がある大腸のポリープが発見された場合、治療の対象となります。多くの患者を短期入院で治療しており、1泊2日・2泊3日が典型的な入院症例となります。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) | 35 | 2.23 | 1.66 | 3% | 71.97 | 〇 |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) | 10 | 0.00 | 16.60 | 30% | 68.80 | × |
K597-2 | ペースメーカー交換術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K5463 | 経皮的冠動脈形成術 (その他のもの) |
- | - | - | - | - | 〇 |
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は冠動脈の狭窄や閉塞によって、心臓の筋肉への血液の供給が不足し胸痛などの症状をきたす疾患です。このような疾患の治療として、経皮的冠動脈ステント留置術を実施しており年々増加傾向です。
下肢の閉塞性動脈硬化症に対して血管拡張術・血栓除去術も行っています。
令和3年度の実績としてPCI(経皮的冠動脈インターベンション)は56件、心臓カテーテル検査は178件、ペースメーカー手術は12件(うち電池交換4件)、EVTは5件となっています。
外科・乳腺外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 (両側) |
77 | 1.09 | 2.65 | 0% | 62.94 | 〇 |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 (虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) |
22 | 0.23 | 4.91 | 0% | 45.59 | × |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 17 | 11.41 | 6.47 | 6% | 62.24 | 〇 |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 14 | 9.14 | 15.14 | 7% | 75.29 | 〇 |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 (頭頸部その他) |
11 | 0.27 | 2.09 | 18% | 63.73 | × |
鼠径ヘルニアに対しての手術が最も多い症例となっています。腹腔鏡を入れて、おなかの中から脱腸の原因となっている場所を確認し、医療用メッシュを挿入して飛び出す穴を塞ぎます。腹腔鏡なので、傷が小さく目立ちずらいというメリットがあります。
次いで、虫垂炎に対して行う腹腔鏡下虫垂切除術が多くあります。
小児外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 (両側) |
133 | 0.01 | 0.05 | 0% | 4.02 | 〇 |
K0151 | 皮弁作成術・移動術・切断術・遷延皮弁術(25cm2未満) (臍形成術) |
65 | 0.00 | 0.03 | 0% | 3.29 | 〇 |
K836 | 停留精巣固定術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K0063 | 皮下腫瘍摘出術(露出部以外) (長径6㎝以上,12㎝未満) |
- | - | - | - | - | × |
- | - | - | - | - | - | - | - |
当院では鼠径ヘルニアに対しての手術を多く行っています。小児鼠径ヘルニアは鞘状突起の根元が開いていることが原因なので、腹腔鏡をを入れて、おなかの中から鞘状突起を開存を確認し根元を縛ります。傷が小さく目立ちづらく将来ほとんど見えないくらいに薄くなります。日帰りでの手術が典型例です。
臍ヘルニアに対する手術が2番目に多い手術となっています。臍ヘルニアとは俗に言う「でべそ」のことであり、当手術はへそを造る手術です。ほとんどが日帰り手術でできます。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術 (大腿)(上腕) |
48 | 3.63 | 22.73 | 44% | 83.83 | × |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む。) 除去術(下腿)(前腕) |
27 | 1.04 | 2.96 | 0% | 59.44 | × |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 23 | 5.74 | 29.26 | 65% | 85.96 | × |
K0731 | 関節内骨折観血的手術 (股)(肘)(膝)(肩) |
23 | 2.78 | 22.13 | 35% | 77.91 | × |
K0821 | 人工関節置換術 (膝)(股) |
18 | 1.22 | 25.61 | 0% | 74.33 | × |
最も多い骨折観血的手術の内訳は大腿骨骨折が41件、上腕骨折が7件となっています。
骨折観血的手術とは、ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折などに対して皮膚を切開し、直接骨を正常な位置に戻す手術です。
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K309 | 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 | 56 | 1.00 | 1.13 | 0% | 2.34 | 〇 |
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 54 | 1.00 | 9.52 | 0% | 12.93 | 〇 |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 15 | 1.00 | 6.93 | 0% | 55.93 | × |
K370 | アデノイド切除術 | 11 | 1.00 | 2.09 | 0% | 6.00 | × |
K311 | 鼓膜穿孔閉鎖術(一連につき) | 10 | 1.00 | 0.90 | 0% | 8.40 | × |
最も多い手術は鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術です。小児の難治性の滲出性中耳炎、反復性中耳炎に対する治療として行います。手術用顕微鏡を用いて鼓膜に小さな切開を加え、鼓室内貯留液を除去し、鼓室内を洗浄したうえで、小さな鼓膜チューブを留置します。通常半年から1年間程度は留置された状態が続きます。この間に鼓室内の換気が促され、鼓室粘膜の状態が正常化し、聴力が改善し、中耳炎の反復が抑えられます。
次いで、口蓋扁桃摘出術が多くあります。反復性扁桃炎、慢性扁桃炎、慢性の扁桃肥大に伴う睡眠時無呼吸症候群などに対する治療として行います。経口腔的に両側の口蓋扁桃を摘出します。
内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型手術は難治性の慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ、鼻副鼻腔腫瘍などに対する治療として行います。
当科ではナビゲーションシステムという最新の手術支援機器を併用し、より安全に施行しています。内視鏡を用いて経鼻腔的に病変を除去します。
婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) (腹腔鏡によるもの) |
11 | 1.00 | 3.73 | 0% | 34.82 | 〇 |
K877 | 子宮全摘術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K861 | 子宮内膜掻爬術 | - | - | - | - | - | 〇 |
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | - | - | - | - | - | × |
最も多い症例は、卵巣腫瘍や卵巣のう腫、卵巣腫瘍捻転などに対して行う腹腔鏡を使用した子宮附属器腫瘍摘出術となっています。
次いで、子宮筋腫や子宮腺筋症に対して行う子宮全摘術が多くなっています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合) (その他のもの) |
145 | 0.01 | 1.14 | 0% | 71.50 | 〇 |
K2172 | 眼瞼内反症手術 (皮膚切開法) |
10 | 0.70 | 1.00 | 0% | 28.00 | ×※1 |
K2422 | 斜視手術(後転法) | - | - | - | - | - | 〇 |
K2171 | 眼瞼内反症手術(縫合法) | - | - | - | - | - | ×※1 |
K2421 | 斜視手術(前転法) | - | - | - | - | - | 〇 |
※1:小児用のパスはあり
「水晶体再建術」とは白内障治療の最もポピュラーな術式です。「白内障」は、眼の中の水晶体(カメラのレンズの役割)が濁る病気で、加齢によるものが多く、濁った水晶体は元に戻らないため、治療方法としては手術となります。
産科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8982 | 帝王切開術 (選択帝王切開) |
142 | 12.84 | 6.47 | 0% | 34.77 | 〇 |
K8981 | 帝王切開術 (緊急帝王切開) |
109 | 9.22 | 6.71 | 0% | 33.83 | 〇 |
K893 | 吸引娩出術 | 36 | 1.86 | 5.75 | 0% | 33.58 | 〇 |
K897 | 頸管裂創縫合術(分娩時) | 26 | 6.08 | 5.31 | 0% | 32.35 | 〇 |
K9091イ | 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) | 20 | 0.00 | 0.05 | 0% | 36.15 | 〇 |
当院は、「地域周産期母子センター(産科および小児科を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設)」の指定を受けています。MFICU(母体胎児集中治療室)6床を有し、正常分娩からハイリスク分娩まで幅広く対応できる環境を整えています。母体搬送・産褥搬送もあり合併症に対する治療も多く行っています。
小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均日数 (術前) |
平均日数 (術後) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術 (仮死第1度のもの) |
19 | 0.00 | 54.00 | 0% | 0.00 | × |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 10 | 0.90 | 3.30 | 0% | 3.60 | 〇 |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 (虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) |
- | - | - | - | - | × |
K7151 | 腸重積症整復術 (非観血的なもの) |
- | - | - | - | - | × |
K7162 | 小腸切除術 (その他のもの) |
- | - | - | - | - | × |
当院は、「地域周産期母子センター(産科および小児科を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設)」の指定を受けています。NICU(新生児集中治療室)、GCU(継続保育室)を有し、妊娠期から新生児にかけて一貫したレベルの高い医療の提供が可能です。
小児・新生児の外科的消化器疾患も積極的に受け入れています。
および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | - | - |
異なる | 14 | 0.30% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 12 | 0.26% |
異なる | - | - |
感染症および合併症の傷病名と入院契機傷病名が同一のものである場合と、異なる場合の症例数、発生率を示したものです。(10件以下は - で表示)
敗血症は感染症を起因とした重篤な全身性炎症反応の症状を引き起こす疾患です。
当院でも肺炎などの感染症から合併して敗血症になる症例が多くみられます。
また、令和2年度の全国データより敗血症発生率は0.51%であり当院の敗血症の発生率0.30%を全国平均と比較すると、全国平均より下回っており低い傾向にあります。
手術・処置等の合併症の症例数の増加要因として、コロナワクチンの副反応による入院が増えた分と考えます。
更新履歴
- 令和4年9月30日
- 令和3年度版へ更新しました