1928年(昭和 3年)
天使病院分院(北広島)を設立
昭和3年に、天使病院にとって一つの出来事があった。それは広島村に天使病院の分院が設立されたことである。
この設立の由来は、前年に村の有力者数名が来て、天使病院の医師を1名村の為にほしいと依頼して来たのに始まる。これに応ずることは不可能なことであったので、結局は週2~3回汽車で医師1名及び修道女2名を出張させることになった。
そのうち次第に小病院建築の計画が生じ、村では捕肋金として、3,000円を集めることを約束した。しかし集まった金額は予定額の半分を上回る程度にすぎず、その後つづいて残額調達ということで工事は春になって着工した。この信者ではない発起人の人びととは別の人びとによって工事反対の声があがったのは工事の準備が始まってから間もない頃である。これ等の反対派の人びとは、演説によりまたは新聞紙上で反対を示し、また許可を却下するよう公の機関を説いて回った。
しかし工事は7月に完了し、8月30日開院の運びとなった。推進者達は大いに喜び祝い、反対者達は口をつぐみ、彼等も次第に病院を利用するようになったのである。